ADHDの診断について

ADHDの診断はアメリカ精神医学会の診断基準であるDSM-5や世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)による診断基準を用いて専門医によって行われます。
基本的に、12歳以前から不注意や多動衝動性が問題となり、学校や家庭など2カ所以上で生活に支障がある時に診断名がつくことになります。具体的には、本人への面談や検査(行動評価表や知能・発達・神経学的検査)、子どもの場合には家族からの情報提供などによって総合的に診断がされます。

DSMとは

精神障害の診断と統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, DSM)は、精神障害の分類(英語版)のための共通言語と標準的な基準を提示するものであり、アメリカ精神医学会によって出版された書籍である。

DSMは、世界保健機関による疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)とともに、国際的に広く用いられている。「特定の状態が特定の期間に存在する」という具体的な診断基準を設けた操作的診断基準に属する。

DSMは、その日本語訳書において「精神障害/疾患の診断・統計マニュアル」と訳されている。「精神障害/疾患の分類と診断の手引」の訳は、DSMの早見表のものである。最新のDSMは第5版で、2013年5月18日に出版された。日本語訳は2014年6月30日に「DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引」は同10月23日に出版された。
(Wikipediaより抜粋)

DSM5 病名・用語翻訳ガイドライン(初版)
https://www.jspn.or.jp/uploads/uploads/files/activity/dsm-5_guideline.pdf

ICDとは

「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems(以下「ICD」と略)」とは、異なる国や地域から、異なる時点で集計された死亡や疾病のデータの体系的な記録、分析、解釈及び比較を行うため、世界保健機関憲章に基づき、世界保健機関(WHO)が作成した分類である。
 正式に日本語に訳されている最新の分類は、ICDの第10回目の改訂版として、1990年の第43回世界保健総会において採択されたものであり、ICD-10(1990年版)と呼ばれている。

ICDがすべての病気を対象としているのに対して、DSMは精神疾患を対象としている。
また、ICDとDSMでは分類が異なる病気もある。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/sippei/index.html

国際疾病分類第11回改訂版(ICD-11)が2018年6月18日ジュネーブ時間12時に公表され、現在、国内導入に向けての作業が進められている。

ICD-11改訂・導入の流れ
  1. 2018年6月
    WHOがICD-11を公表
  2. 2019年5月
    WHOが年次総会でICD-11を承認
  3. 2019年〜2021年頃
    日本では厚生労働省や総務省などがICD-11の国内適用の作業を実施
  4. 2022年1月
    WHOがICD-11を正式に発効予定